最近、プリンターとモニターの色が合わなくなって来たと感じるようになりました。
プリンターはFUJIFILM製銀塩のフロンティア(最新のもの)モニターはEIZO製でトータルコストは1千万に近い金額。(プリンターの価格がべらぼうなんです。)
色が合わなくなって来た理由は色々と考えられます。
しかし頭で計算しながら補正(タイミングをとる)しても、差が埋まりません。
一日に二度三度と条件出し(決められたパッチをプリント --> 現像測定 --> 出力補正)してもズレは直らないのです。
少しのプリントの為に大量のロスプリントが出ます。(モニターとプリンターの色差です。)
こうなると、キャリブレーターのお世話になるしかありません。
i1 PRO2でモニターと銀塩プリンターの両方をキャリブレーションします。
まずはモニターから始めます。
終わると次は銀塩プリンターです。
用紙は254mm巾のペーパーを使い800パッチのプリントをプリントして測定します。
この2枚のパッチを測定します。
測定が終わるとプロファイルが保存され、プリント時にこのプロファイルを使ってプリントします。
かなり近い感じでモニターの色と調子が合います。(完全ではありません。)
気に入らなければ少しモニターを微調整してプリンターの色に近づけます。(毎日のプリント作業の中で少しづつ色を合わせていきます。)
少し時間がかかりますが1週間程でかなり近づきます。
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PLIE (土曜日, 02 1月 2016 22:19)
基本的に モニターと銀塩プリンタのカラーマッチは出来ないのが普通だと思います。
そもそも フロンティア等の銀塩プリンタの色域はせまく モニターがたとえsRGB範囲でも
フロンティアの色域はそれよりも かなり小さいので カラーマッチは出来なくて当然です。
通常の範囲ではプリンタのプロファイル適用である程度は改善できます。
しかし 婚礼写真などて重要な 赤の再現 は致命的で 再現は不可能です。
更にストロボ配下での高彩度の女性の膚色のトーンは、sRGB領域でも 再現不可能なので、
モニターと比較しても彩度を落として(大概の場合は暗めにる)カラーマッチさようとするので
モニターと印刷結果がマッチするわけがありません。
プリンタの方は、チャートの測色レベルで前回との測色を評価すると、
プリンタの安定度合いがわかってきます。
適切に使用していれば、フロンティアのプリンタの方の変動は、年で平均dEで1以内で落ち着くと思いますが、それ以上の変動があった場合には、何かの環境(インクの変更等)が変わったものと思われます。
モニターを微調整という以前に、モニター側でプリンタプロファイルを用いたプロファイルシュミレーション表示の結果と、印刷結果を比較するのが常套手段です。
撮影データの最良結果を得るには
adobeRGBタイプモニターと EPSON 10色プリンタのブルーフ用紙への印刷比較すると良いと思います。
kanetomo (日曜日, 03 1月 2016 00:11)
PLIEさん 詳しいコメントありがとうございます。
私はPLIEさんのブログ(日記)のファンで以前より欠かさず拝見し、勉強させて頂きました。カラマネに関する深い知識とコンピュータの専門知識素晴らしい情報源で、本当に勉強になりました。
どんな機器にも欠点長所があり、多くのモニターやプリンターに機器差が存在し、その機器差を調整して同じように見える状態にする事がキャリブレーションの目的と理解しています。
ですので、その機器の持っている力を100パーセント出す事がキャリブレーションでは無くてその機器の持っている能力を周りの機器に合わせる事重要と思います。
エプソンのインクジェット、フジの最新の銀塩プリンタ、この両方のプリンタ共々現在キャリブレーションして使用しています。
現在はフジの銀塩プリンタでテストプリントしてエプソンの大判インクジェットプリンタで本番プリントする事も、逆にエプソンのプリントデータそのままで銀塩プリントに小さく出力する事も可能です。(厳密に見ればそれぞれに違いがあり、それぞれを同じ土俵で比較する事は出来ません、部分的な濃度や色が画の重要部分を占める場合はそれなりの補正も考えたほうが良いと思っています。)
私は若い頃から色見を専門にやって来ましたので、許容範囲か否かの判断や色や濃度の関係にについての判断も的確に出来ると思っています。
また処理量や温度差時間などのタイミングを見ながら処理する銀塩プリント、扱いを知らないと誤解を招きます。
一つ付け加えるなら人の肌色はそのままの色を出した方が良いとは思いません、いつも多少健康的に見えるよう故意に色相を少し変えています。(銀塩フィルムとプリントの出方に近い色調ですね)
未だ大勢のファンがいる銀塩プリントには色味だけではないきめ細かさやハイライトの調子再現、素晴らしい光沢感など総合的に見てもまだまだ良さがあると思ってます。
今、小さな写真は銀塩、大判プリントはインクジェットと用途を分けて運用しています。
PLIEさんの貴重なコメント何度何度も読み直し、これからの仕事に活かしていきたいと思います。
これからもご指導よろしくお願い致します。
ありがとうございました。
PLIE (日曜日, 03 1月 2016 07:02)
ふと思ったのですが
フロンティアのプロファイルを作成して それを適用する場合 以下のような流れになるのですか?
パソコン・フォトショップ(プリントダイアログでプロファイル指定)→銀塩プリンタ(無補正)
パソコンがMacの場合 こういう流れでしか適用できないと思っていますが。
私の方は仕事で最終的な販売している写真が大半は銀塩プリンタ(外注)のものです。
従来の銀塩プリンタでは ストロボ配下の女性の高彩度の肌色がどうやっても再現できないのが
1番のネックですね。
客にも説明していますが、1番綺麗に出す為には、インクジェット(10色プリンタの方)の方をお勧めしますとしています。
また外注プリンタの管理の為に、1年に一度あるいは外注プリンタの環境の変更のタイミングで、チャートを再プリントして、それまでのチャートとの比較を行い、色の差分(dE)を数値管理しています。
kanetomo (日曜日, 03 1月 2016 13:03)
PLIEさん ありがとうございます。
フロンティアの構成がどうなっているのか判りませんが、DIコントローラー(フロンティア用のパソコン)にPhotoshopやi1 Profilerを入れています。
今はi1 ProfilerからFMPC(銀塩プリンタのフロンティアとフィルム専用スキャナ、DIコントローラーが接続している)を通じて、銀塩プリンターに出力しています。
ご存知かどうか判りませんがシステム構成が最新の物ではないため、使用ソフトも少々古いのです。
仕事でストロボ撮影は当たり前のようにしていますが、肌色の表現で出来ないと感じた事は今までありません。
ただ、光学的な引き伸ばし作業が現在のようなデジタル処理方式になって解像度が落ちて細かいところや肌色に限らずハイライト部分の伸び(ハイライトのグラデーションの繋がり)が無くなったように感じていました。(それがストレスの原因で潰瘍になったりしたのですが3、4年使っていると昔の写真処理方式の素晴らしさを忘れてしまいました。それでも時々古い写真と比較してみますと、未だにその辺りの品質は越える事が出来ていません。)
銀塩プリンタの特性として、一日の変化、処理量の変化補充液の入り方などによって見た目にも変動が判ります。
特に、ディスプレイとプリントの仕上がりをマッチさせた環境ですとその変動は良く判断出来ます。
この辺りは、ディスプレイとインクジェットプリンタでマッチさせた方が変動は無いと感じます。
銀塩プリンターの特性を知っているプリントマンは一日あるいは日々の動きを良く掴んでいてその辺りの色の変化を先読みしながら色補正をしているのです。
色差の数値管理も大切かも知れませんが、一日の動きもそれ以上のものがあるので細かくプリント状態を見ながらプリント条件の維持をされているプリンター管理が最重要だと思います。
それと、チャートは単なるチャートでなく実際の画を含んだチャートも加えて全体的な色バランスを見るようにされた方が良いと思います。
こんな説明しか出来ませんが、いつかお会いしてゆっくりお話を伺う事が出来ればと思います。
PLIE (日曜日, 03 1月 2016 20:07)
実は 銀塩プリンタを保持しているホテル・ラボ いわゆる婚礼写真を専門的に
扱っている所のプロファイルも 私が作成・納品しています。
その経験値の中での問題点は 私が指摘している物と同様です。
Lab値=(90,20,20)
はsRGB領域の いわゆる高彩度の肌色です。
これを銀塩ブリンタで印刷して その色を測色して見れば どの程度の落ち込みがあるかが
わかると思います。
どんなに綺麗な光の状況を作っても、最終的に通常の銀塩プリンタで印刷する限りは、
女性の膚色はトーンが落ち込んでしまって 元の色は出ません。
kanetomo (日曜日, 03 1月 2016 21:25)
PLIEさん ありがとうございます。
おっしゃる事は良く判ります。
その辺り、苦手な色、出ない色、おおよそ理解してインクジェットや銀塩プリンタを使っているつもりです。
機器差についてはそれぞれ特徴が有り、それを活かして使用しないと前に進みません。
判断の付け方はそれぞれなので色の出方だけでなく他の要素も含めて考えるべきと思います。
モニターで出る色がプリンタで出ない事も少なからず(理論的にも、経験的にも)承知していますが、現在にいたるまでそれで仕事が前に進まなくなった事もありません。(何とか色の出し方を工夫して乗り切って来ました。)
私のやっている仕事では全体的な見た目が自分の色見の許容範囲に入れれば問題無しと考えています。
別の言い方をすれば、お客様に「この色やこういった感じの色も出ませんでした」と説明するより、「こんなに綺麗な色に仕上がりました」とご説明した方が判り易いと思うのですが・・・・如何でしょうか?